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ウラロジの日陰者

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  • 04/27/15:31

11.30.20:53

縁側に座るじいちゃんのような

縁側に座って庭をゆったり眺めるおじいちゃん。そのひざには猫、あるいは隣に可愛い孫。


うちのじいちゃん家は木造の割りと古い家なのですけど、その庭に面した廊下に安楽椅子があって。
じいちゃんが元気だった頃、よくそこに座っていたのを覚えています。
じいちゃんと縁側と庭。どうしてそんなイメージが確立されたのかは分かりませんが、何故か違和感の無い情景です。

今回行ってきた葛飾区の銭湯の『日の出湯』さんは、まさにそんな庭先でゆったり時を過ごすようなおじいちゃんのような銭湯という印象です。今回で二度目で、初めて行ったのはたしか一昨年の2月だったと思います。ちょうどバレンタインの時期で、番台のおばあちゃんにチロルチョコを貰ったのを覚えているので。
堀切菖蒲園の住宅街の中に、古びた煙突が一本立っていて。
建物に入ると、なんだか動物の匂いがして、どういうことかと思ったら、脱衣場の中に猫がたくさん、我が物顔で歩いていて、暖房の上に陣取っています。

内装は本当に年季が入っているというか、かなりくたびれていて。

木製の梁もボロボロ。水道の配管もボロボロ。蛇口はレバーを押すタイプでそのレバーはガバガバ。
おまけに蛍光灯が少ないために、浴室はかなり暗いのですが、でもね。

不思議とここ、活気に満ちてるんですよね。
隣の女湯の方からは、「こんにちわー」という声がしきりに聞こえてきて、終始楽しそうな談笑が響いてくる。地域のコミュニティーとして、かなり有効に働いているみたいです。

床のタイルはモザイクタイルの一種なのでしょうか。青いタイルの破片を無造作に敷き詰めたような感じのちょっとオシャレなもので、ところどころに貝殻やカニをかたどったものが混ざっています。これね、小さな子と入りに来て、カニのタイルとか探して回ったら子供喜ぶんじゃないだろうか。
浴槽の底面もモザイク画になっていて、魚なんかが泳いでる姿が描かれています。

談笑の活気と可愛い孫を迎え入れるような遊び心。そして猫。
ここって、おじいちゃん家みたいな銭湯だなと僕は思いました。
むしろ最初に書いちゃいましたけど、この銭湯そのものが、縁側で猫を抱いてゆったりと街の時間の流れを見守り続けるおじいちゃんのようです。

古いモノは、いずれ無くなってしまうけれども。
どうかそこに息づく心根だけは、無くならないでほしいと。
そんな願いを抱く銭湯でした。
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07.02.23:10

頭良さそう感を作る

面白さの基準ってのは個々人のものなんで、これもあくまで僕の個人的感想なんですけどね。
つまらなくは無い、でも面白いわけでもないという、絶妙な微妙さを保ち続けているドラマ、【軍師官兵衛】についてちょっと。面白く視聴してる方には申し訳ない。

このドラマ、けしてつまらなくないけれど、ずっと何かが足りないと。そう思っていたんですけど、その一つが、軍師ドラマなのに『頭良さそうな感じ』があんまりしないことなのではないかと。
ドラマの中の官兵衛を見て、お、こいつ頭いいじゃん、と観てるこっちが欺かれること。それが足りない気がするんです。

そもそも頭良い感じをどうやって作りだすかなのですけど、これはとても難しいことですよね。というのも、歴史に残ってる有名な作戦は、すでに僕達は知っているので、今更その年表どおりのことを口で言われても、ふーん…としかならない。
じゃあどうするかといえば、一番簡単なのは、周りを極限までアホにすること。ただこれをやったら、かなり安っぽいドラマに成り下がりそうですね。演出面ではどうも間抜けで現実的じゃ無い気がします。

そこでもう一つ思い当たる手が、軍略に人間味を持たせることだと思うわけです。
つまり、このドラマ内で描かれているこのキャラなら、こんな軍略を思いつきそうだという臨場感です。有名な作戦は年表を見ればわかってしまう。だったら、さもこのドラマのこのキャラが思いついたんですよといわんばかりの臨場感をキャラに持たせてやることが、一番大事なのではないかと。

こういう話をするとき、つい2007年の大河ドラマ【風林火山】を引き合いに出してしまうんですけど。
同じ軍師モノでありながら、【風林火山】と【軍師官兵衛】が決定的に違うのはここじゃないかと思います。
風林火山は山本勘助という軍師が主人公ですが、彼の軍略はそのキャラクターの立ち位置を踏まえているんですね。物語の前半で、勘助は諸国を放浪し、愛していた女性を身ごもった子供ごと殺されるというまさに心が死にそうになる経験をするわけですけど、だから彼の軍略は、人の情を逆手にとって欺くようなタイプのものが大多数を占めている。でも、時にはその情を捨てきれずに粗略が出てくるという、人となりを使った臨場感が機能している。キャラの個性を存分に生かしてさもこのキャラが思いついたように視聴者に思わせること。これが頭良さそう感なんだと思います。だから風林火山の場合、キャラクターがどういう奴かというところを認識させる過程は、かなり大げさに作ってあるように感じますね。それとこのドラマは、対極に居るライバルがさらに主人公を引き立てる機能を果たしているのも大きい。宇佐美定満がまさにそれで、一見穏やかに見えるけれど、時には勘助よりもよほど狡猾で人の情を冷酷に踏みにじるようなシーンが出てくる。こういう積み重ねで、キャラの頭のよさにホンモノっぽさが出てくるように思います。

じゃあ、軍師官兵衛の場合はどうだったかというと、その臨場感がいまひとつ無いように思われるんですね。当然最初っから切れ者であるという風に描かれるのですが、そこに臨場感はあまりない。軍師だから当然作戦を思いつくんですよという、軍師という記号だけを使った薄っぺらな頭良さそう感、これが最も安っぽい部分なんじゃないかと。
たとえば、これから有名な高松城の水攻めをするわけですが、彼にこんな大胆な作戦を思いつかせた経験って、あるいは個性ってなんなのでしょうか。これが曖昧だからこそ、作戦や行動にも必然性が欠けてきてしまいますね。描かれているキャラが行う必然性が無ければ、歴史ドラマではもはやそれは喋る年表以外の何者でもなくなってしまうんじゃないかと、そう思います。

面白いとつまらないの間の壁って言うのは、ほんとに微妙なさじ加減だとは思うのですけどね…。

07.01.23:51

魔女っこ姉妹の

ヨヨとネネ。

映画公開してたときに劇場で観たのですが、DVDが発売されたのでTSUTAYAで借りて数ヶ月ぶりに観てました。
かなり観やすい娯楽作品だなという感じです。燃やしたり凍らせたり雷落としたり、ところによってスカートからマスケット銃を取り出して相手を蜂の巣にするタイプの魔法が主流の昨今で、この作品の魔法はかなり魔女魔女しいですね。植物とダンスしたり服を変えたり。画面もよく動いて楽しいのと、絵本のような魔法のエフェクトがいい感じ。話自体も変にひねくれてなくて好感が持てます。

ただ、見返してみてやっぱり後半はやや詰め込みすぎなのは否めないかなと。

実はこの作品劇場で3回も観てるのですが、それというのも、一回目観たときどうも腑に落ちなかったからという。

一番妙に思ったのは、ヨヨさんの成長パートのテーマと作品のオチがいまいちかみ合っていないように見えたことです。
どうやら魔女は魔法で死人も生き返らせられるようなので、彼女にとって命は案外軽いものだったのが、タカヒロとのやり取りやビハクのくだり、あと病院の描写で、ヨヨさんが個々人の命の重みを感じて世界を守ろうとするように変わっていく、まではいいんですが。

この作品にはその成長に見合う敵が居ないんですよね。元凶が事件じゃなく、ただの事故なんですよ。

実際のところ呪いを引き起こしていた大本がそもそも人々の自分勝手な願いでしたという展開になるので、その人々が今回の敵役だったといえなくもないんですけど、ただしこのラスト付近の論旨って、あくまでも自分勝手な願いが呪いになって、誰かを思う心が救いになるという構図で、ヨヨさんが命の重みを感じていく描写とそれほど対応していない、あるいはヨヨさんが命の重みを感じる描写が無くても成立しそうだなと思えるわけです。現にヨヨさんは最初っから、泣きそうになるアキちゃんを魔法で喜ばせてあげようとしていたわけで、ちゃんと誰かを思って魔法が使えてるんですよね。
そうなると、あれだけ観客を引き込むように作られているビハクが死に掛かるくだりとかも、単にヨヨさんが世界を守る動機付けとしての働きしかない、機械的なシーンに落ち着いてしまう。それがなんだか勿体無いんですよ。

なので僕は、この展開ならそういう人々の自分勝手な願いを利用して、しかも人一人のことなんぞゴミクズのようにしか思っていない巨悪が居てもよかったのではと思います。

ちなみに最初見たとき僕は、その黒幕が依頼に来たナオの妹なのではと思っていました。


あとは、ヨヨとネネなのにネネさんの活躍が異様に地味とか。

ペッツをアキが持ってた理由がものすごい取ってつけた感とか。

魔力が無いと魔法が使えないと思っているの? と言った割りに、ラストで、この世界は人々の魔力を少しずつ使って動いているんです。今は魔力に満たされているから云々  って、やっぱり魔力が無きゃ駄目なのかよ とか。


かなり良い感じの娯楽映画なのでいろいろ気がかりが残るのが勿体無い。

まあでも一度オチを知ってからは、楽しいとこだけ素直に楽しめましたし、結構好きな部類の作品なのは間違いないので、またそのうち観たくなるのは間違いないと思います。


DVD買おうかなぁ…

06.25.22:37

坪庭に雨が降る

奇しくもおよそ2年前このブログを更新しなくなった最後の記事に、上野池之端の銭湯、六龍鉱泉について書いていたわけなのですが。

今日その六龍鉱泉に入ってきました。これで三回目になりますか。
ちょうど仕事の外部研修で東京駅まで出てきていたので、久々に寄ってみたのです。
本当に久々に根津の町に降りました。

表の不忍通りから一歩裏手に入ると、車も通れないような細道が住宅を縫うように続いてます。とても静か。その路地の一つ、上野動物園の裏側に六龍鉱泉はあるんですが、三回目でも、この路地に迷わされて一発では行き着けませんでした。
ノスタルジックなお風呂屋さんです。

ここのお風呂は前の記事でも書いたとおりで、黒湯の温泉なんですがとにかく熱い。
一度目に入りに行ったとき、知らないおじさんと風呂の熱さについて脱衣場で話したのはよく覚えてます。
とくに深い方の湯船が熱いんですが、今回はなんと肩まで浸かることができました。三回目にしてようやくの快挙です。誰かがうめてったんでしょうか。

このお風呂屋さんでうれしいのは、そんな熱い風呂に入って茹だった後に、縁側に出て坪庭で涼めること。ほんとに小さいスペースなんですがかなり整った庭で、池には鯉が泳いでいます。水面に浮いた葉っぱを口に吸い込んでみては吐き出してる。何がしたいんだろう。

今日は縁側に出ようとしたらちょうどとおり雨が降ってきました。晴れの日に夕焼けを肴に涼むのもいいもんですが、葉っぱに雨粒がパタパタ当たる音と、水の香りを静かに楽しむのもそれはそれで良い感じ。これが風情って奴なんでしょうか。

結局雨は数分であがりました。
店を出るとちょうど雲の切れ間が見えていて、一箇所だけ赤く染まった雲がその切れ間から覘いてました。立ち止まって空をゆっくり見上げるのも随分久々。豊かに心穏やかに生活していきたいものですね。

07.21.14:13

No1~3 星の湯 六龍鉱泉 日の出湯

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この前品川荏原町の星の湯さんっていう銭湯に行ったとき、ついにこんなもんを買ってしまいました。東京浴場組合のスタンプカード。湯屋めぐりカードの方は10件分のスタンプを集めてストラップ、巡礼は最大88箇所のスタンプが集められて、26個目と88箇所目で記念品が手に入り、浴場組合にスタンプカードを送ると、組合ホームページに名前が載るらしい。すごい。なんという自己満足のための代物!!

それで、その星の湯さんのスタンプを皮切りに、ぼちぼちスタンプを集めているわけです。
先週はちょうど友人に地元の盆踊りに誘われたり、根津の弥生美術館に行ったりしてたので、せっかくなので二件ほど寄ってみた。根津の六龍鉱泉と立会川の日の出湯。

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こちらが六龍鉱泉。ツイッターでは散々熱くて入れねぇ、リベンジしたいとかつぶやいていたお店です。上野公園の裏手のなんとも分かりにくい場所にありますが中々堂堂とした作りですよね。入り口がカッチョイイ!
中も高天井で木の色が渋い古い銭湯です。

ちなみに上野公園の裏手だけど、上野駅からだと公園を迂回しないといけないぽいので、根津駅の方が近いと思います。

ここのお湯は東京によくある黒い色の温泉。しかもかなり熱いです。
カランからもかなり高温のお湯が出るんですが、これが熱くてうめないと使えないなら、まず深い方の浴槽には入れないと思いますよ、熱いを通りこして痛いので。なんかしれっと湯もみのための板が置かれてます。かかってこいといわんばかりです。
タイルに描かれた浴室絵は川と橋の風景画。男湯と女湯で一枚つながりの巨大な絵になってます。
ちなみに前来たときは冬でちっとも気に留めなかったんですが、ここには小さいけれど凝った作りの庭があって、縁側に出ることができます。今の季節なら夕涼みにぴったり。岩から水が染み出してくる演出や、池の鯉とか見ながらぼーっとするとエクセレント。



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こっちが日の出湯。
京浜急行立会川駅の斜め下にあるお風呂屋さん。

入り口はなんか商店街のお店みたいですが、これも古い作りの高天井の銭湯です。高天井の銭湯の浴室って、壁が青系の色のことが多くて、六龍鉱泉も日の出湯も例に漏れてませんけど、薄い青だったり緑みがかってたり、ちょっとずつ違いますね。
こちらのお湯はラジウム鉱石泉。湯を入れるところに格子をつけて、そこに岩をごろごろ転がしてるタイプのお風呂屋さん。運河というか海が近いせいなのかもしれませんが、浴室絵が波と帆船というちょっとお目にかかったことが無い題材でした。
そして何故か、深い方の浴槽が丸い。なんか妙に個性的な銭湯でした。


銭湯といえば高い天井とペンキ絵みたいな印象ですけど、意外と脱衣所の趣向とかも店によって違ってユニークで、そこが面白くてやめられないんですよね。残念ながらその内装はよほど人が居ないときに許可でも取らないと写真に撮れませんけど。
とりあえず10店舗は集まりそうなんで、これからもちょくちょく入って参りますよ。


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